ひどい顔してるって? 失礼ねっ。でも、そりゃそうよ。
ここ数世紀で上位5つにランキングされる程の悩みを抱えて生きていますものっ。
結論から言うとね、あたしー、「プログラマー」になりたいのよー。
でもさ、あたし、専攻が文系でしょぉ?
今更、将来的に安定してそうだから「プログラマー」なんて虫が良すぎるのかなーって思うのよね。
まあ、「文系プログラマー」って名前は「道端アンジェリカ」みたいでセクシーだけど。
「テラスハウス」とか「あいのり」みたいな恋愛バラエティ番組見ててもさ、最後にいきなり男乗り換える女って、見苦しいじゃない?
「今更かよっ!」ってね。
あたし、プログラマーとして生きたい気持ちもあるけど、美しく生きていきたい気持ちも強いのよね・・・。
ああ、やっぱり文系が今更プログラマーなんて、醜いかしら・・・?
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
本記事の信頼性
結論・文系でもひたむきにプログラミングを学ぶ貴方は、美しい!
というか、この業界に長くいると、そもそも文系だの理系だのって感覚で他のプログラマーを見なくなります。
何故なら。
それよりも遥かに重視するべき素質や性格があるからです。
もちろん、専攻によって学習して来たカテゴリーは異なるでしょうが、理系出身だからといって就職後に高笑いしながら楽にやっていけるほど楽な業界ではないですし、逆に文系出身に共通して見られる長所がプログラマーとして活かされるケースも少なくありません。
プログラミングに興味を持ち、そこに魅力を感じたのならば、学んでみるべきです。
たかだか数年、別のカテゴリーの学問に身を置いたという理由だけで諦めるにはもったいない世界です。
今回は、文系出身でもプログラマーとしてやっていけるのか。
文系がプログラマーになる際の、向き・不向きなどについて美しくお話し致しましょう。
第壱話「文系、プログラマーになれるのか」の巻
嘘か誠かは分かりませんが、経済産業省が言うには、我々の業界は「2030年に79万人の人材が不足する」そうです。
79万人と言いますとー、福井県あたりの全人口を超えちゃってますから、
としてもまだ人材不足、って事ですね。恐るべき事態。
そうなれば、スーツ着てノートパソコン持って外歩いていれば、どこかのIT企業が声掛けて来て就職できるんじゃないかなって、思っちゃいますね(嬉)。
さて、
と懐疑的な方もいるでしょうが・・・、でも、なれるんですよ。
なってる人、いっぱいいますから。
こんな話になると、
と考えるでしょうね。
まあ、それを完全に否定するわけではないんですが、そもそも企業側が
とはそんなに強く思っていないんです。
私自身、過去に様々な企業で面接官を務めておりましたが、「文系か理系か」で採用・不採用を判断した事はありません。
過去に目を通した、IT企業を対象としたアンケートでも、過半数の企業は「出身学部に関しては条件として考えない」と答えていました。
さすがに、まっったく同じクローン人間を2人並べて、片方が理系、もう一方が文系ならば前者を採るかもしれませんが。
なので、大切なのは面接への準備です。
専攻を問わない企業は多くありますが、「なぜ、文系からプログラミング職を選択したのか」という質問には答えられる程度の準備は最低限必要ですね。
時間に余裕があれば、書籍や学習サイトでの独学やプログラミングスクールなどでプログラミングを経験しておいてもいいでしょう。
はっきり言って、その程度の知識が実戦で役立つ事はほぼありませんが(残酷ですが)、企業に「プログラミングを学びたい気持ち」を客観的に見せる事は出来ますよね。
つまりはシンプルな話です。
プログラマーとして雇うにあたり、文系だの理系だのよりももっと大事なものがある。
そういう事です。
「なるだけ」、ならね。
第弐話「文系、プログラマーとしてやってけるのか」の巻
文系でもプログラマーにはなれるんですが、「なれるかどうか」と「やっていけるのかどうか」は全くもって別物。
うなぎパイとうなぎ位違います。
大概そうか。
正直、我々の業界も決して楽ではありません。
求人が多くて将来性もあり、近年は労働環境もどんどん改善されているのにも関わらず、イマイチ人手が増えないのは「ギブアップする人が多い」というのが一つの大きな理由です。
ギブアップする人の多くが「文系出身」である、という事では決して無いんですが、「文系出身に共通してみられる性格や特徴」がプログラミングの道をスムーズに歩くのを邪魔しているケースが散見されるようです。
脳の奥深くに宿る「思考」の違い
と誰もが口にしますし、現実に私もそう思います。
知識の量や、触れた言語の数ばかりを増やし続けても、二流より上のレベルに達する事は出来ません。根底にある「思考」こそが大切。
では、「論理的思考」とはなんでしょう。
平たく言えば、「道筋の立った考え方」という事ですよね。
コンピューターは決まった通りにしか働きません。
晴れの日も雨の日も、平日も週末も、恋が成就した日も大切な人が亡くなった日も、プログラミングの通りにしか動きません。
全ては「0か1か」の世界です。
対して、文系の学問においては「感情」や「直感」が重視されます。
いくら勉強を重ねても、文章の中の登場人物が何を思うのか感じ取れなければ本当の意味を理解する事が出来ません。
いわゆる、「行間を読む」という能力が必要とされますが「論理的思考」とは大きく異なるものです。
我々の業界において、コードを「美しい」と評する事がありますが、それは文学的な「美しさ」とは根本から異なるものです。
プログラミングをスムーズに身体に取り込むためには、それに合った思考や発想を主軸に置かなければなりませんし、それが出来る様になるまでは苦しい時間が続くはずです。
ただ、そもそも「論理的思考」を持たずにやっていける仕事って日本にほぼ無いと思うんですよ。
かつ、先天的に持っているもので変化させたり鍛えたりする事が出来ない、というわけではありませんのでご安心を。
数字の雨霰に打ちのめされる
一部例外はあるものの基本プログラミングは英語で書かれるので、この点については文系の方も抵抗は少ないかとは思うんですが、久しぶりに目にする「数字の羅列」に心折られる人が多いのも事実です。
という方、現実にいらっしゃいます。
まあ、本当に「戦争」と同じくらい嫌悪しているのなら辞めた方がいいと思いますが(汗)、ただ、食わず嫌いが多いのも事実ですね。
自分に出来るかどうかよりも、一見した印象で「ダメだ」って判断してしまっている。
複雑そうに見えても、どれもこれも中学校の数学レベルです。
超絶難解な数学を使用する仕事なんて、プログラマーの仕事にはほぼ皆無なんです。
好きな事や得意な事だけやってればいいって業界は稀です。
小さなドアを1つ開けるだけで、理解できる事がたくさん増えますよ。
「文系故に上手くいかない」という抜本的に誤った固定観念
何度も言いますが、割と大変です、ウチの業界。
特に、未経験から就職して2年くらいは、ゴールの見えない海の中で溺れないように必至にもがき続ける毎日が続くかもしれません。
一部の例外を除いて、多くの人が挫折を味わう事になるんですが、その際に
実際にはそうではなく、それは誰もが苦しんで通る道であり、足りないのは理系の学習では無く「プログラマーとしての」学習なんですが、一旦こういうネガティブな考えに堕ちてしまうと抜け出すのは難しいですね。
ただ、こういう考え方から抜け出す事が出来ない人は、別のシチュエーションでも同様の状況に陥ると思いますので、根本的な考え方の変革が必要かと感じます。
残酷なようですが、その変革ができず
と、延々と転職を繰り返し続ける人もいますからね。
というわけで、文系出身であるが故にネックに感じるポイントもあるにはあるんですが、つまるところどれも「大した話じゃない」と考えています。
就職前に書籍や学習サイトである程度プログラミングを学ぶ人もいますし、何十万円もかけてスクールに通った経験を武器に業界に入ってくる人もいます。大きな企業ですと、採用されてからの数ヶ月は新人研修に参加させる所もあります。
しかしながら、正直、どんなに勉強しても
ってのが本当のところなんですよ。
そもそもシステム開発はチームで行うことがほとんどですし、現場でないと覚えられないことばかりなんです。
だから、スタート時点が「文系」か「理系」かはそれほど重要では無く、スタートしてからどれだけ努力できるかが全て。
今までに身につけたどんなスキルや知識よりも「プログラミングを好きになれるかどうか」が一番のカギです。
第参話「文系、お主にも利点がある」の巻
うんうん。だいぶ顔つきが明るくなりましたね。
じゃあ、おまけに、「文系出身故の強み」も話しておきましょうね。
それは、「英語に強い」というところです。
もちろん、文系出身者全員が英語に特化しているわけではないですが、ある程度の知識を持っている人が多いはず。
プログラマーにとって英語が何故重要なのかは別記事で詳しく書かせて頂いておりますが(プログラマーに英語は必要か)、貴方が努力して身につけた英語のスキルは、プログラマーになった後で更に輝きを増す事になるでしょう。
もう一つ言われるのは、「文系の人はコミュニケーション能力が高い」って事ですかね。
正直、ちょっと偏見が入っている気はするんですが、ただ世間一般にそう言われているのも事実です。
他人と関わる事が出来ないコミュ障がひたすらキーボード叩いている、そんなイメージが先行しているので意外に感じるかもしれませんが、プログラマーにとっても「コミュニケーション能力」って滅茶苦茶重要なスキルなんですよ。
実際に相手してるのはパソコンですし、作ってるのも目に見えない「プログラム」ですけど、それを最終的に売るのは「お客さん」ですし、なんだかんだ多くの仲間と一緒に一つの目的に向かって作業しているわけですからね。
まあ、他業種と比較すれば「ガチのコミュ障」も少なくは無いですが、コミュニケーション能力の高い人の方が良い結果を出しているのは間違いの無い事実です。
ほら、文系の貴方にも武器はあるんです。
プログラマーになるからといって、今まで勉強に費やした時間や努力が無駄だったと感じる必要は無いんですよ。
最終話「文系・理系と騒ぐ前に」
さて、文系出身者がプログラマーとして適応出来るのか、について考えて来ましたが、元も子もない話をすれば
乱暴な言い方に聞こえるかもしれませんが、「プログラミング」という新しいカテゴリーの学問に取り掛かるにあたって、それまでの経歴はさほど影響しないのです。
むしろ、出身学部よりもそもそもの人間性や性格で向き・不向きが分かれたりもしますので、良かったら別の参考記事もご覧下さい(プログラミングに向き不向きはあるのか)。
人生100年時代。
たかだか数年の学校教育の間に自ら檻を作り、この先の数十年をその中で過ごすことはありません。
無論、今までに学んで来た事を放り投げて新たな目標に挑むには、大きな決意と、精神的にも身体的にも並々ならぬ努力が必要となります。
しかし、その決意が持てないようでは、そもそもこの業界でやっていくのは難しいでしょう。
理系では無い。
もちろん、文系でも無い。
プログラミングは「プログラミング系」である。
色眼鏡をかけずにプログラミングのありのままを知って、その結果それを愛する事が出来たなら、きっとプログラマーとして素敵な人生を歩めるはずですよ。