あの子ねぇ、ちょっと落ち込んでるのよー。
なんかね、会社で軽くパワハラ受けてるらしいのぉ。
んでね、相談受けたんだけど、アタシってほら、生まれながらのSLB(スーパー・ラヴリー・バニー)じゃん?
他人から悪意なんて向けられた事ないから、よくわかんないのよねー。
え?
羨ましい?
まあでも、あたしだって仕事の悩みが皆無ってわけではないわよ。
入社して半年くらいはトイレ掃除しかさせてもらえなかったし、よくポカスカ叩かれてアザになってたし。
最近はそういうの無くなったけど、オフィスの机は私だけ離れてるし、上司でも頭抱えてるプロジェクトいきなり押し付けられて、会社に一人だけ何日も泊まり込んだりってのもあるかなぁ。
そうそう!
あたしと話す時、語尾に必ず「カス」ってつける人もいてねっ。どこかの方言かと思ってたんだけど、どうやら違うみたいねっ!
てへっ!
・・・ぇぇえ?
まさにこれこそ「パワハラ」なのっ!?
・・・そ、そう言えばここ数年胃が痛かったり眠れなかったり空が青いだけで涙が出たりしてたわねっ・・・!
えー!
あたしかわいそー!
だ、誰かに相談しなきゃねっ!
でも、どこに相談したらいいのかしら?
ゴルゴ13!?
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
本記事の信頼性
40歳でIT業界歴 20年。
プログラマーと せどり をやりつつ
会社の経営もしております。
結論・「どこに相談するべきか」は、貴方がそのパワハラを「どう解決したいのか」によります。
いやー、冒頭からいきなりですけど、
何を今更って感じるかもしれませんけど、生きるにはお金が要りますし、お金を稼ぐためには働かなきゃならないですし。
そもそも国民の義務の一つに「勤労」が入ってるわけですから。
わたくし、コロナ以前は海外に行く機会が多くありましたが、やっぱり日本のサラリーマンってメチャクチャ働いてますしね。
で、ただでさえ仕事が大変なのに、その上「仕事そのもの以外の悩み」を抱えていたんじゃあ、やってられないですよね。
本来、同じ目的に向かって力を合わせる「仲間」であるはずの同僚や上司から「パワハラ」なんて受けていたら、身も心もボロボロになってしまうでしょう。
しかしながら、現実に「パワハラを受けている」と感じている社会人は少なくありません。
それが理由で精神的な疾患を発症して会社を辞めたり、休職する人達もいます。
私も全く経験が無いとは言えません。
「パワハラ」とはよく耳にする言葉ではあるものの、いざ自分がその被害に遭ったとしたら、誰に相談すればいいのでしょうか?
「ちょっと話を聞いて欲しい」だけなら、友人や恋人が適任かもしれません。
パワハラの程度が重く、深刻な状況にあるのならば警察や弁護士などへの相談が必要になる事もあるでしょう。
でも、身近な人に話して抜本的な解決法が容易く見つかるとは考えにくいですし、いきなり大きなカードを切るのもかなりの決意を必要とします。
そもそも、自身が「パワハラ」と感じているものは本当に「パワハラ」に該当するのか。
自身のケースだとどのような解決方法があり、どんなメリットやデメリットがあるのか。
そしてどれを選択するべきなのか。
何らかのアクションを起こして現状を変えたいと考えてはいても、実際には
という方がほとんどでしょう。
まずは、気を張らずにコンタクトが取れ、かつこの手の問題のプロフェッショナルである機関に相談する事をお勧めいたします。
悩める貴方に、まずは気軽に無料で相談できる相談先を7つ、ご案内させて頂きます!
無料で相談出来る機関
タイトル通り、もちろん全て無料で相談できますが、それぞれ運営している機関が違うため、
- 何を主軸として相談を受けるのか
- 相談方法
- 受付時間
などに違いがあります。
各相談機関について簡単に説明致しましょう。
総合労働相談コーナー
厚生労働省の管轄である総合労働相談コーナーは、労働基準監督署などに設置されている相談窓口です。
労働基準監督署では「パワハラそのもの」に関しては取り扱ってもらえませんが、総合労働相談コーナーは「あらゆる分野の労働問題」に専門相談員が対応しています。
なお、相談内容に労働基準法に反するものがあれば行政指導を行うための機関に速やかに繋げてくれます。
労働者からだけではなく、雇用主からの相談も受け付けているため、広い視野での偏りの無いアドバイスが期待できますし、様々な言語にも対応してくれるので外国人労働者の方でも気軽に利用できます。
予約は不要ですし、国の運営している機関として「相談者のプライバシー保護」を徹底しているため安心して相談できますね。
営業時間は平日の9:00~17:00、相談方法も電話か面談に限られるのが不便なところではあります。
労働条件相談ほっとライン
こちらは、厚生労働省からの委託事業という形で相談対応や各関係機関の紹介を行なっております。
しっかりした専門知識を持つ相談員が無料で相談に乗り、法律や過去の判例に基づいて対応してくれます。
委託事業であるため雇用先に対して直接的な指導などは出来ませんが、「委託事業」であるが故に、労働基準監督署などの国の機関が閉まっている時間に対応してくれる所が魅力です。
一般的なサラリーマンが平日の昼間に相談するのは難しいですからね。
営業時間は平日の17:00~22:00、土日祝も9:00~21:00までと幅広い時間ですので、ありがたいですね!
みんなの人権110番
こちらは法務省が運営する相談窓口になっており、電話相談すると最寄りの法務局に繋いでくれて、その後法務局の職員が直接対応します。
ご存知の通り、法務局は「人権問題」を取り扱っておりますので、人権侵害にあたるパワハラならばより専門的なアドバイスや対応措置が期待出来るでしょう。
基本的には電話対応ですが、法務局での直接面談やメールでの相談も受け付けております。
営業時間は平日の8:30~17:15です。
やはり、国の機関は営業時間が限られますね。
労働相談ホットライン
全国労働組合総連合・・・ちょっと舌を噛んじゃいそうな名前の組織が運営しております。
労働者の地位や、適切な労働環境を守るために活動しており、パワハラだけではなく労働条件やいじめ、解雇など「労働者の不当な扱い」に関して総合的に相談出来ます。
労働組合は当然「労働者を守るための組織」ですので、労働者に寄り添った立場で相談に乗ってくれます。
こちらも電話相談は平日の10:00~17:00に限られますが、メールでの相談にも対応しております。
「一般社団法人社会的包摂サポートセンター」というところが運営する相談機関になります。
最大の特徴は「24時間、いつでも電話対応している」ところです。
「どんな人の、どんな悩みにも寄り添って解決法を探す」と謳っている通り、ありとあらゆる種類の悩みについて相談する事が出来ますが、逆に言うと「パワハラに関しての専門相談」という点では少々弱いかな、と感じますので、
という方におすすめします。
電話相談のほか、SNSなどにも対応しております。
こころの耳
こちらも厚生労働省の運営ですが「パワハラ専門の相談機関」ではなく、「精神的な不調やダメージ」に悩む人に対するサポートを行う機関であり、専門の資格を持ったカウンセラーが対応してくれます。
「具体的な解決」よりも、まずは「心のケア」を望む方に最適です。
インターネットのサイトの情報量も豊富で、
- 働く人
- 家族
- 事業者・上司・同僚
- 支援者
といった立場上のカテゴリーや、
- 相談する
- 知る・調べる
- 学ぶ・実践する
という目的別のカテゴリーが用意されており、自身の知りたい情報へのアクセスが容易です。
「職場のストレス」や「疲労蓄積度」などのセルフチェックも出来ますよ!
電話相談は月・火の17:00~22:00 と土・日の10:00~16:00 と限られますが、電話やメールに加えて、LINEでの相談にも対応しています。
と心を決めている人もいるかと思います。
しかしながら、素人にとって法律は非常に難解なシロモロなので、いざ行動に移すとなると「どこに相談すればいいのか」「弁護士に依頼すると費用はどのくらいかかるのか」などわからない事だらけですよね。
法テラスは、「法律を一般人にとって身近なものにするため」の機関であり、トラブルを法的に解決するために必要な情報やサービスの提供、貴方と弁護士を繋ぐ役割などを担っております。
経済的な問題がある人であれば「無料の法律相談」や「弁護士費用の立替」なども用意されておりますので、法による解決を望むのならば、いきなり直接弁護士にコンタクトを取るよりも、まずは法テラスに相談するのがおすすめですよ。
電話相談は平日の9:00~21:00、土曜の9:00~17:00です。
メールでの相談も受け付けておりますので、まずは気軽に相談を!
パワハラとはなんぞや
さて、パワハラに関する相談先をご案内させて頂きましたが、ここで抜本的なところに立ち返って考えてみましょう。
今回、何度も登場する厚生労働省は「パワハラ」を次の様に定義しています。
「職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為」
まあ、硬い言葉で説明するとこういう事ですよね。
ここでミソなのは「人間関係などの職場内での優位性」というところでしょうか。
つまりは、「上司から部下」に限ったことではなく、その逆であってもパワハラに該当するという事ですね。
では続いて、もうちょっと分かりやすく具体的に、どんな行為がパワハラに当たるのかを考えてみましょうか。
これまた厚生労働省がパワハラの典型的な形を6つにカテゴライズしており、さらにパワハラ全体に対するそれぞれの割合を調査しています。
割合の高い順に見ていきましょう。
精神的な攻撃(54.9%)
過大な要求(29.9%)
人間関係からの切り離し(24.8%)
個の侵害(22.3%)
過少な要求(19.8%)
まあ、食べてるからお腹は満たされるけど
肉体的な攻撃(6.1%)
-
叩く。
-
殴る。
-
蹴る。
-
投げる。
-
関節を極める。
-
コブラツイスト。
-
キン肉ドライバー。
-
カメハメ波。
などなど。
貴方が「パワハラだ!」と感じているものは、本当に「パワハラ」か?
さて、パワハラ6種と具体例を見てきましたが、こうなってくると
と感じるのでは無いでしょうか。
ここで注意したいのは、上記の「パワハラの定義」にある様に、「業務の適正な範囲」を超えなければパワハラだとは言えない、という事です。
中には「他人から指導や注意を受ける事」が気に食わず、全てが「パワハラ」だと感じる人もいます。
特にバイトなどの職業経験が一切無い新入社員などに多く見られるパターンですが、
などの状況を
と騒ぎ立てる人もおります。
上記のカテゴリーと同様の性格を持つ行為であったとしても、その理由や程度によっては「教育の一環として必要」というものも、当然ありますよね。
ここからここまでがパワハラ、という絶対的な線引きは出来ません。
まずは本当にそれがパワハラなのか、客観的かつ専門的な判断をしてもらうためにも、まずは相談先に連絡してみるべきでしょう。
相談する前にやっておくべき事
と思って頂ければ幸い。
しかし、酷な様ですが
というケースもあります。
というわけで、より相談を効果的なものにするためのアドバイスもしておきましょう。
状況を詳細にまとめておく
上記の機関はどれも無料で相談する事が可能ですが、貴方が納得し問題が解決するまで何時間でも付き合ってくれるわけではありません。
どの相談窓口も最長で20~30分と定められているところがほとんどです。
順序立てて話をするのが苦手な人はたくさんいますし、自身が苦しければ苦しいほど感情的になって効率の良い説明は難しくなるはずです。
決められた時間の中で不十分な説明しかできなかった、という失敗を避けるため、相談する前に自身の置かれた状況についての情報を整理しておくべきです。
貴方がどんなに辛くて、相談先がどんなに強く貴方を救いたいと思っていても、状況が正確に伝わらなければ解決の糸口は見つかりませんから。
- いつ
- どこで
- 誰に(どんな関係・立場の人か)
- 何が理由で、どの様な仕打ちを受けたのか
- その結果、肉体的・精神的にどんな被害を受けたのか
- どんな形の解決を望んでいるのか
- その他質問など
くらいは箇条書きにしてまとめておきましょう。
しっかりと状況説明が出来れば、相談先の対応もスムーズになり、有効なアドバイスや適切な機関の紹介を受けられる可能性がより高くなります。
なお、どうしても会話が苦手で自信がない、という人はメールでの相談から始める方がベターかも知れませんね。
証拠を押さえておく
貴方が受けているパワハラが深刻なものであり、いざ具体的な解決をしよう! となった段階で「証拠がないため対応が出来ない」ケースも考えられます。
と心に決めても、そこから証拠集めをするのは大変。
普段から証拠を残しておく様にしましょう。
- 暴言を録音したデータ
- 誹謗中傷が書かれたメールなど
- 自身がつけていた日記や、知人に相談したメール
- パワハラが原因で通院した際の診断書
などが手元にあれば、より解決に近付きます。
より具体的な相談を持ちかけるならば。
パワハラの度合いが深刻なものではなく、人に話して気が楽になればそれはそれで一つの「解決」と言えるでしょうし、具体的な解決を目指して上記の様な相談窓口から別の機関を紹介されるケースも考えられます。
ですが、窓口に相談しただけでは何も解決しなかった、というのであればより具体的な解決を期待できるところに相談した方がいいかもしれません。
所属会社内部の相談窓口
貴方の会社に「人事部」や「コンプライアンス相談窓口」などがあるのならば、勇気を持って相談してもいいでしょう。
同じ会社の人間であれば状況を理解してくれる可能性が高いですし、貴方の他にも同じ上司から同様にパワハラを受けている人がいるかも知れません。
という方もいるでしょうが、そもそもそんな会社ならば早く見切りをつけるべきだと感じます。
警察
ってレベルですと、もうパワハラっていうか「犯罪」のレベルですから、相談っていうより警察に被害届出してしまった方が解決が早いでしょう。
と思う人は少なくないでしょうが、やはり「同じ会社の人間を告発する」というのは一大決心であり、自身にも所属会社にも大きな影響が出るので、信じ難い状況に黙って身を置いてる人も現実にいます。
警察へのコンタクトは最終手段に該当しますので、踏み切る前に会社の相談窓口などにまず相談するべきかとは思いますが、それでも改善がなされずズルズルと精神を病んでいくケースは少なくありません。
仕事は大切ですが、貴方の人生はもっと大切。
台無しになる前に、勇気を持ってアクションを起こしましょう。
病院
パワハラのせいで怪我をした、もしくは、精神的負担が大きくて症状が出ている、というのであれば早めに通院しましょう。
貴方自身が考えている以上に精神的なダメージが身体を蝕んでいるかもしれませんし、弁護士にしろ警察にしろ、いざ具体的にパワハラを解決させる際には、上記の通り「診断書が証拠になる」ケースも少なくありません。
ただ単に「辛かった」という主観的な意見ではなく、専門的な第三者の判断を残すべきなのです。
退社代行サービス
パワハラのそのものを解決するのが難しいのであれば、「自分がその会社を退く」というのも一つの策です。
ですが、パワハラを受けている職場で気軽に退職の話はしづらいでしょうし、辞めた後もいろいろな手続きで会社に出向くのも気が進みませんよね。
そんな時には、自分の代わりに退職手続きを行ってくれる「退社代行サービス」があります。
費用はかかりますが、精神的な負担を受けずに綺麗さっぱり辞めることができます。
あまりメジャーなサービスではないので、どこを選んでいいかわからない、という方には、「退職代行サービスのNEXT」がオススメです!
LINEで24時間相談できますし、料金も平均相場と変わらないのに、なんと「退職できなかった場合」の全額返金保証までついてます。
相談は無料で受けられますので、安心してご利用下さい。
なお、退社代行サービスに関しては別記事、「退社代行を使って会社を辞める(過去に3回会社辞めました)」に詳しく書いておりますので、ご覧下さい。
さいごに。
「パワハラ」。
どの職場にも当たり前の様に、大なり小なり存在するにも関わらず、問題視される事なく、解決されぬまま放置されているケースが非常に多い。
厚生労働省の出した統計では「過去3年間にパワハラを受けた」と感じている人は30%以上、しかしながら、「自身がパワハラをした」と感じている人は10%程度。
「悪意なく精神的な負担を強いている」ケースが多い事が分かります。
他の先進国と比較すると、日本はパワハラ解決への対応に積極的とは決して言えません。
2019年に初めてパワハラを抑制するための法律、「改正労働施策総合推進法(通称・パワハラ防止法)」が成立。
2020年に大企業で、そして2022年には中小企業でも施工されます。
日本には古くから「根性論」など、精神的な強さを美徳とする文化があります。
心や精神を強く持つ、という事も大切であり、当然それが必要な状況や場面もありますが、精神的な負担が大きくて業務に支障をきたしたり、貴重な人材を失うことになれば、多くの日本企業、強いては「日本全体」の成長を妨げる事になります。
余計な悩みは上手に解決して、思う存分仕事に邁進したいものです。
さあ、まずは相談を!