ついにプログラマーの採用勝ち取ったわっ!!
おばあちゃんの代からの親子3代の夢がついに叶ったわっ!
・・・え? 就職先?
んーっとね、なんだったかな、確か「SES企業」とかって言ってたかなぁ。
よくわかんないのよ、手当たり次第に面接受けたから。
「衝撃的に・エキゾチックな・白ウサギ」の略かしらね。
ちゃんと調べて面接受けろって?
しょうがないじゃない、プログラマー志望のウサギ採用してくれる奇特な会社なんて中々無いんだからっ。
・・・へ?
「案件ガチャ」?
仕事先も内容もガチャガチャで決まる?
なにそれっ!?
カイジじゃあるまいし!
そんな博打みたいな人生、ホントにあるのっ!?
こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
本記事の信頼性
SES系企業で10年以上 正社員として働き案件ガチャは 10回以上回しました。
結論・「案件ガチャ」は当たり前に存在します。というか、それがSES企業の本質です。
まずは、「案件ガチャ」なるものが本当に存在するのか否か、についてですが。
ぺーの隣にはパー子がいるように。
SES企業のエンジニアとして働く限りはガチャを回し続けなければなりません。
しかしながら、
という様な認識をされている事には賛成できません。
問題は「案件ガチャ」のシステム自体ではなく、それを取り巻く担当者達にあります。
また、SESを否定するエンジニア自身にも問題がある事が少なからずあります。
SESにもメリットとデメリットがありますし、企業によって環境も大きく異なります。
環境の良い企業で働き、順調にステップアップ出来た人間は
と考えるでしょうし、逆に悪い環境下で心身ともにメタクソに打ちのめされた人は
と声高に語るでしょう。
今回は客観的にSESのメリットやデメリット、数多くある会社の中でどういったSESを選択すべきなのか、その辺を考えてみましょうね!
「案件ガチャ」とは何か?
まず「SES企業」についてですが、平たく言いますと「エンジニアの派遣会社」です。
自分の会社でプログラミングを行うのではなく、顧客の会社に常駐して仕事をします。
次に派遣される企業の環境(人間関係・会社の場所・労働条件)や仕事内容が、自社の担当から言い渡され実際にその企業に行くまで分からず当たり外れの差が大きいために、回すまで何が出るかわからない「ガチャガチャ」に例えて「案件ガチャ」と呼ばれております。
出向先の担当に気に入られたり、もしくは会社同士の関係によっては数年間同じ企業で働くケースもありますが、「数ヶ月毎に違う現場に送られる」という人も少なくありません。
と、肯定的に受け止められればいいのですが、正直、
というネガティブな意味合いの言葉として使われているケースが多いですね。
では、「案件ガチャ」にはどんなアタリ・ハズレの要素があるのでしょうか?
人間関係ガチャ
「出向先の担当者の人間性」はアタリ・ハズレが決まる大きな要素の一つです。
当然まともな人もいますので「うちの会社の担当よりもずっと良い」という事もありますが、
という人も中にはいます。
まあ、どの業界においても「人間関係」は常に厄介な問題ではありますが、ガチャを引くたびにとんでもない人格破綻者の下で働く可能性が潜んでいるのかと考えると、大きなストレスですよね。
業務内容ガチャ
もしくは
こんな事、普通考えられませんよね。
しかしながら、質の悪いSES企業では「事前に聞いていた業務内容と実際の仕事内容が全く違う」という事態がしばしば発生します。
私自身の経験でも
- 使用する言語が違う(vbの案件と聞いていたのにC++だった)
- 業務内容が根本から違う(プログラミング作業と聞いていたのにテスト要員)
という事が多々ありました。
レアなケースでは、そもそもITと全く関係のない作業に当たってしまう事もあるようです。
一昔前のOLの様です。
どんな作業内容がアタリであるかは人によって異なります。
駆け出しのプログラマーが、ほとんど使われない古い言語の修正作業やテスト要因ばかりを続けてもスキルアップにはつながりませんので「ハズレ」という事になりますが、逆にある程度のスキルと経験を身につけているベテランにとってはしばらく「楽な作業」が続くので「アタリ」だと感じる人もいます。
自分の置かれている立場や状況によってアタリ・ハズレは変わりますので、ある程度経験を積んだとしても、ハズレを引く可能性が無くなるわけではなく、常に「案件ガチャ」を引き続ける事に変わりはありません。
労働条件ガチャ
勤務先が変われば、当然通勤時間も変わります。
以前は徒歩で5分で行けるところで働いていたのに、次の職場は鉄道と地下鉄を複数乗り継いで1時間以上もかかる所になるかも知れません。
通勤時間だけではなく、労働時間も変化します。
以前は17:30までが就業時間だったのが、新しい出向先では18:00になる事もありますし、毎回定時に帰れる職場から一転して、地獄の様な残業まみれの会社になる事も当然あります。
SES企業のカラクリ
ここ数十年、ずっと不景気だと言われておりますが、我々の業界の求人は増え続ける一方です。
嘘か誠か、「2030年には79万人のエンジニアが不足する」と経済産業省が言ってるくらいですからね。
という謳い文句、よく目にしますよね。
まるで歌えて、書けて、演じられ、終いにガッキーまで射止めた星野源の様なパーフェクトっぷり!
と感じるかもしれませんが、その実、未経験を雇っているのはほとんどが「SES企業」です。
普通に考えれば、ズブの素人に給料を払えば赤字になります。
この不景気の中、全てのSES企業が新人を育てるための投資をする余裕があるのでしょうか?
実は、これにはカラクリがあります。
未経験の新人は採用された後、「ベテランの社員」とセットで客先に送り込まれ、「教育を受けながら業務を行う」事になります。
そうなると出向先の会社が文句を言いそうなものですが、実は新人の方は「無料、もしくはタダ同然」で送り込まれており、客も
やるべき事はベテランがやってくれるし
と考えているわけです。
でも、新人を雇っているSES企業は給料を払うわけです。
その分赤字になりそうなものですが、なんと「新人を採用すると国から助成金が支給される」というシステムがあるわけなんですね。
新人の数ヶ月の給料程度の金額は補助されます。
これには当然、上記の「将来的なエンジニアの不足問題」が根底にあるわけです。
会社規模の小さい、末端の派遣会社である「SES企業」が未経験でもバンバン求人をかけられる理由がコレです。
案件ガチャのメリット
就職やめて、月に帰って餅でもつこうかしら・・・
と感じてきたかもしれませんね。
確かに、ネットを見てると
なんて、元SESのエンジニアの声を数多く目にしますが、SESならではのメリットも沢山ありますよ。
まあ、酷い環境に当たってしまった人ほど声を上げたくなるでしょうからね。
幸いにも、私はSESで酷い経験もしましたが、SESでの経験があったからからこそ今の自分があるとも感じています。
というわけで、SESのメリットもいくつかお話ししましょう。
プログラミング未経験でも就職できちゃうもんねっ
シンプルではありますが、これはスキルも経験もゼロの人にとっては願ってもない話です。
貴方が今から医者や弁護士になろうとすれば途方もない年月を要しますが、プログラマーであればゼロから始められ、将来性もあり、やり方次第では医者や弁護士を凌ぐ収入を得る事だって出来るわけです。
現に私も、プログラミング未経験からSES企業に就職し、そこで得たスキルを活かして今の立場(企業経営者)までたどり着く事が出来ました。
人間関係や労働環境の問題を解決しやすいのよっ
大手に入るために寝る間を惜しんで勉強に励み、100倍以上の倍率を勝ち抜いて就職した先に、とんでもないパワハラ上司と残業地獄が待っていた・・・
これはどこの業界でもよく聞く話ですね。
毎日を地獄の様に感じているのに、途方もない努力の先にやっと勝ち取った仕事をそう簡単には手放せず、心を病んでいく・・・。
切ない話です。
ではSESではどうでしょう。
確かに、案件ガチャでハズレを引いて
- 人格破綻している担当に当たった
- 未経験なのに即戦力を求められ、クソの役にも立たない職場で肩身が狭い
など、酷い環境に身を置く事はありますが、「所詮、派遣」なわけです。
数ヶ月後には職場が変わる事がほとんどですし、最悪、自分の会社に相談すれば現場を変更してくれる可能性もあります。
会社を変えるのは一大決心が必要ですが、会社を変えずに環境を変える事が出来るわけです。
まあ、もちろん
と取り合ってくれない会社もあります。
まあ、社会人ならば少なからず我慢も必要ではありますが、どうしても耐えられないのなら別の企業への転職という手もあります。
そもそもが未経験でも求人をかけている企業ですから、比較的気軽ですよね。
たくさんの会社で働けるんだぜっ
良くも悪くも、案件ガチャにより様々な会社に身を置く事になります。
と思える企業もあれば
と感じる企業もあるでしょう。
様々な環境で数多くの人達と働けば、多くのプロジェクトに参加し、多種多様な業務を行う事になります。
その経験は、プログラマーとしてのスキルだけではなく、社会人としてのコミュニケーション能力も向上させてくれるはずです。
「プログラマーにとってコミュニケーション能力はプログラミングと並ぶ必須のスキル」だと当たり前に言われておりますし、特に将来的にフリーランスも視野に入れているのであれば、この上ない経験となる事でしょう。
大きな企業であっても、自社開発のみで外への扉が閉ざされた会社では決して得られないメリットなんです。
案件ガチャの抱える闇
さて、「案件ガチャ」のアタリ・ハズレやメリット・デメリットについてはお分かり頂けましたでしょうか。
改めて、冒頭のお話を持ち出しますが、
確かに、未経験で質の低いSES企業に入ってしまってとんでもない目に遭い、業界自体を嫌悪してしまう人も少なからずいらっしゃいます。
ですが、案件ガチャにもメリットがあるのは上記の通り。
結論を申し上げますと、問題の根幹は「案件ガチャ」そのものではなく、そのガチャを作っている「SESの担当者」にある場合が多い。
誤解を恐れず、声を大にして言いましょう。
そもそも、自分の会社が抱えているエンジニアの経験やスキルが活かせるような案件や出向先をアサインした方が、客にとっても自社にとってもプラスになるはずなんです。
案件とエンジニアの相性が悪くなれば作業効率も下がりますし、客先からの評価も落ちます。
営業担当は当然、可能な限り生産性の高いアサインを心掛けるべきですし、伝えた作業内容と実際の作業内容が違う事態など、本来は決してあってはならない事です。
「ハズレばかりのガチャ」が作られる会社には理由があります。
- 利益や金額のみを優先している
- 容易く決まる案件を優先する
- 自身と関係の良い企業の案件ばかりを優先する
などなど。
大抵が営業担当の「目先の利益の追求」が原因です。
「派遣」という形を取る以上、アタリ・ハズレが生じる事は避けられないとしても、「可能な限りハズレの少ないガチャ」を作る事が営業担当の使命であり、それさえ出来れば「案件ガチャ=業界の闇」という構図は崩れるはずです。
大切なのは、キャリアアップを手助けしてくれる人間に出会う事が出来るかどうか。
どうしようもない担当も多いですか、自社の抱えるエンジニアの将来をしっかり考えて働いている担当もいます。
初めから酷い目に合えば業界自体を悪だと感じる事も致し方のない事かもしれませんが、せっかくプログラミングに興味を持ったのならば、「転職」という選択肢が残されている事も忘れないで頂きたいのです。
SESを足掛かかりに。
そもそもゼロから始めたSESでの仕事です。
あまりに環境が酷いようなら、とっとと見切りをつけて転職した方がいいでしょう。
もちろん、仕事をするからには我慢しなきゃならない事、努力や苦労しなきゃいけない事、たくさんあります。
でも、現在のSES企業の実態を鑑みる限り、「しなくてもいい我慢」や「してもプラスにならない苦労」が沢山蔓延っているのが事実です。
古い体制が根強く残る日本においても、「終身雇用はまもなく終わりを告げる」と言われる様になりましたが、それでも多くの社会人の心の中には「正社員=安全・安心」という考えがべっとりと張り付いているはずです。
それが全くもって間違いだというつもりはありませんが、こと我々の業界に関してはスキルを身につけて転職を繰り返したり、フリーランスになる人間が増えており、特にSES企業に関しては「少しでも社員が辞めたら会社自体がすぐ潰れる」という所も多い。
悪質なSESからそうではないSESに転職するのももちろんですし、キャリアを積んだ後、将来的には「フリーランス」も視野に入れるべきだと私は感じます。
しかしながら、数多くある企業のうち、どれが「アタリ」で「ハズレ」かを個人が見極めるのは困難を極める事でしょう。
「会社選びガチャ」を引き続ける事にならない様に、プロのサポートを受けるのがオススメです。
オススメの転職サイトは「IT求人ナビ」です。
今すぐ転職を考えていないという人でも、とりあえず登録しておくといいでしょう。
デメリットがありませんので。
私自身、フリーランスになる前に何度か転職をしておりますが、転職には相当な時間と労力がかかります。
いさ転職したいとなった時に経済的・時間的な問題からそれが叶わない、というのはよくあるケースです。
どんな求人があり、どんな採用条件があり、給与形態はどうなのか。
事前に情報収集をしておけば、転職の為に必要なプロセスも見えてきます。
また、プロの意見を聞く事で、地獄と見紛うほどのブラック企業や、自分のスキルや経験に見合わない企業に入ってしまう事態も避けられるでしょう。
最終的に、私の様にフリーランスを目指すのであれば、「レバテックフリーランス」がオススメです。
私自身、フリーランスになる際にお世話になっており、経験上「アタリ!」だと胸を張って紹介できるサイトです。
また、フリーランスとしての独立に関しては別記事「プログラマーが独立したらどうなる?【フリーランス経験済】」でたっぷり語っておりますので、ぜひぜひご覧下さい。
さいごに。
さて、今回はSES企業における「案件ガチャ」についてお話しさせて頂きました。
と言われるほどデメリットだらけではないものの、いくつかの解決し難い問題を抱えている事もお分かり頂けましたでしょうか。
ただ、最後に一つ忠告しておきたいのは、案件ガチャでハズレを引いたと感じる時、「貴方自身が原因である」可能性もあるという事です。
出向先の担当がムカつく、作業内容が俺の希望と全然違う、などよく聞く愚痴ではありますが、そもそも会社も個人の希望ばかりを聞いているわけにもいきません。
貴方の希望していない作業が貴方のキャリアップに役に立つ内容だという事もありますし、やりたい事と出来る事に開きがあり過ぎる事もあります。
そもそも、同期や友人に愚痴ばかりこぼしている人間は担当や上司へのほんれんそう(報告・連絡・相談)が全くできていない事がほとんどです。
自社の人間にも悩みや希望を伝えられないとなると「アタリ」を引く可能性は非常に低い。
コミュニケーションが取れない人間は、残念ながらSES企業以外でも良いエンジニアになるのは難しいでしょう。
残酷ですが、自分自身に問題がある事を認められず、他者のせいだけにしていては、どこの企業に移っても、業界を変えても、「アタリ」の人生を歩む事は出来ません。
確かに、運任せの「案件ガチャ」は存在しますが、実際のガチャガチャとは本質が大きく異なるものです。
完全に運任せではなく、アタリを引く可能性は自身の努力で大きく変えられますし、業界を歩き始めたばかりの人間には「何が自分にとってのアタリか」分からない事が往々にして良くありますからね。
多くの人に回す権利が与えられたガチャです!
子供の頃を思い出して、怯えずにホラ、回してみましょうよ!